投票は、ハリウッド外国人映画記者協会(Hollywood Foreifn Press Association)の会員により行われ、今年は80名と聞いています。うち日本人記者は3名で、成田陽子さん、中島由紀子さん、小西未来さんが投票権を持っています。
今年の授賞式、ホストは「Tonight Show」のホストで芸達者なJimmy Fallon。オープニングは「La La Land」のパロディーで、渋滞中のリムジンからニコール・キッドマンやエイミー・アダムスが降りてきて踊りだします。なんと豪華なキャスティング!
Golden Globes Opening
*Jimmy Fallon が現在ホストを務める「Tonight Show」は、毎回豪華ゲストが登場するNBCの平日深夜のトーク番組です。収録には観客を迎え、日本でいうと「笑っていいとも」のノリの人気番組です。放送が始まったのは1954年という長寿番組。
そして、結果が発表されていきました。こちらが結果です。
だいたい予想通りでしたが、意外だったのが、映画のドラマ部門の「主演女優賞」で、フランス人女優の Isabelle Huppert(イザベル・ユペール)、作品は「ELLE」。本人も意外だったのか、リアクションが新鮮でした。
Isabelle Huppert-Speech
"Thank you!" "Thank you!" とシンプルな言葉を繰り返し感謝の意を表すイザベルさん。英語が母国語でない彼女が満員の会場でスピーチしてる姿に感動しました。
映画「ELLE」は主演がフランス人、監督はオランダ人のPaul Verhoeven(ポール・バーホーベン)のコンビで、「外国語映画賞」も受賞しました。
それから、もうすでにあちこちで取り上げられていますが、映画界に長年貢献した人物に与えられる「セシル・B・デビル賞」を受賞したメリル・ストリープ。スタンディング・オベーションで迎えられた彼女のスピーチも感動的でした。
「今都会のハリウッドにいる私たちだけど、元はアメリカのあちこちから来ているよそ者。そして、外国生まれ・育ちの人もたくさんいるのがこの映画界。もしよそ者や外国人を追い出すことになったら、この国はアメ・フトとmixed martial arts (総合格闘技)を見るだけの国になってしまいます。でも、それらはArtではありません」。つまり、映画はArt、芸術だということですね。
それから、腕に障害のあるジャーナリスト(ニューヨーク・タイムズ誌の記者)の真似をしたトランプ次期大統領のふるまいに傷ついたこと。そして、わが国の頂点に立つ人物がそういう行いをすれば、ほかの人も平気で他人を傷つける行いをすることへの不安を語りました。続いて、この賞の主催者である「外国人映画記者協会」と自分たち映画人が協力しあい、自分と一緒に「ジャーナリスト保護協会」を支援していくことを呼びかけました。
スピーチの間中、オーディエンスは拍手したり厳しい表情で耳を傾けたり。リベラルなハリウッドのことですから、みんなが彼女のスピーチに賛同しているかと思えば実はそうではなく、Youtubeで繰り返し見ている間に、ムッとした表情で腕組みをしてる女性や最前列のテーブルで拍手していない女性を見つけました。
映画の授賞式のスピーチでありながら終始ポリティカルな内容だったので、後に賞賛だけでなく非難の声もあがっていますが、大統領就任式が1月20日ですから、その前にぜひ話しておきたかったんでしょう。
「第74回ゴールデン・グローブ賞」最後の発表は映画のドラマ部門「作品賞」で、フロリダ州マイアミの貧困地域を舞台に黒人少年の成長を描いた「Moonlight」が受賞し、盛況のうちに幕を閉じました。
Team "Moonlight"。 トロフィーを手にスピーチしているのが監督のBarry Jenkins |